もう・・・戦うしかないよな・・。
死神
「まって・・・。」
E
「?・・・いつここに?」
死神
「そんなこといまはどうでもいいでしょ?
それより、君の約束果たせなくなった。」
E
「なんの?」
死神
「法律をもう破ってもいいっていったけど、取り消せなかった。
すぐに、死ぬわけじゃないけど寿命は確実に縮まる。」
E
「・・・ここにきたってことはまた助けてくれるんじゃないのか?」
死神
「・・・もう助けられなくなった、だからAを頼むなんてもう言わない。」
「言わないから一人だけでも逃げてよ。」
E
「・・・なんでだろうな。
俺一人ならたぶんこの追手の数でも逃げれるんだろうけど。」
拳銃を構える。
死神
「寿命を削るつもり?
私が勝手に頼んだことなのに?」
E
「・・・人にものを頼んで後悔してるんなら今度から頼む相手、選べよな。」
バン!
銃声が一つ・・・。
悲鳴は聞こえない・・・。
しかし、相手の急所から外れるように撃っている。
E
「俺の銃は人を殺すことはできないが、玉数は無限だ。」
・・・そう、これがEの犯罪なのだ・・・。
追手の数は銃声を聞いてか、さっきの人数より増えている。
たぶん、一(はじめ)にも聞こえているだろう・・・。
E
(心臓が・・・あつい。)
追手は死なないことをいいことにいっせいに突っ込んできた。
一人一人拳銃で撃っていくのは時間がかかる・・・。
かといって、Aから離れるとAが連れ去られるだろう。
拳銃を投げつけた・・・。
まるで敵を追いかけるように拳銃は飛んでいく。
投げてくるとは思っていなかったのだろう・・・次々に命中する。
そして、便利なことにEのもとへ拳銃がもどっていく・・・。
ブーメランにもなるらしい。
E
「アァァァァ!」
や・・・やばい、体が動かない・・・。
拳銃を受け止めるのもやっとで、上から攻撃する忍者に反応しきれない。
忍者
「しねぇ!」
どうやら俺が抵抗したからだろう。
殺気に満ちていた・・・声が聞こえる。
ザシュッ。
忍者
「うわっ。」
一(はじめ)
「遅くなった。」
イルカラ
「おめぇら、殺すなっていっといたのにこのありさまはなんだ!」
追手
「こ・・・こいつが銃を撃ってくるなんてきい・・・。」
イルカラ
「だからどうした、俺を怒らせたいか。」
追手
「す、すいません。」
E
「・・・話が見えないんだけど。」
イルカラ
「俺から話そう。
この国の名前を決める戦いが起きたのを知ってるよな?」
E
「話だけなら。」
イルカラ
「んじゃ、国の名前を決めたものが法律も決められることは知っているか?」
E
「それは・・・初耳だ。」
イルカラ
「悪い奴らも大勢いる・・・だからこそ確実に国の名前を決める側になりたい。」
「そこで・・・Aを使い組織として大きくしていくことを考えたんだ。」
E
「で、俺を仲間にいれたいと?」
イルカラ
「そういうことだ。
悪い奴らが大勢いるから法律を厳しくするつもりなんだが、協力してもらえないか?」
E
(戦いに巻き込まれるなら死んで当然だろう・・・。)
(生きていたとしても法律が厳しくなったんじゃそのあと死んじまうだろうな。)
E
「悪いが、協力できない。」
イルカラ
「やはり、拳銃を使ったってことは犯罪者か・・・。
わかった、もう無理にとは言わない。
だが・・・理由を聞かせてもらおうか?
解答の仕方によっては・・・わかってるな?」
E
「法律を厳しくするのには賛成できない。
俺は・・・法律をなくしたい立場なんでね。」
イルカラ
「法律をなくしたい立場なら、なぜ今になって拳銃を使ったりする?
出会った瞬間から俺らを攻撃するのが筋ってもんだろ?
それに・・・拳銃の威力が低すぎる・・・。
人を殺す気がないのはわかったが、法律をなくす必要はないだろ?」
E
(俺の言葉じゃないが・・・説明するとなるというしかないだろう。)
「法律はもともと人が争いをするから生まれたものだ。」
「人が争わなくなったら法律なんていらないだろ。」
イルカラ
「・・・聞いてあきれるな、そんなことできるわけが。」
E
「できるかどうか・・・そんなの俺にもわからない。
だが・・・やってみる価値はあるだろ?」
イルカラ
「・・・悪いが俺には理解できない。
しかし、理由はわかった。また戦う日がくるかもな。
その時は、手加減なしでいこうか。」
E
「ま、まて。」
しかし、もうイルカラと追手の姿は見えなくなっていた・・・。
その後一(はじめ)に聞いたところ銃声がきこえ、
イルカラはEを殺そうとしていると勘違いし、
一(はじめ)も、なにかあると察して戦いを中断し駆け付けたらしい。
Aは拳銃が聞こえたと同時に気絶していたらしく戦いになることは今回が初めてのようだった。
死神は突然いなくなっていた・・・。
俺も戦いに夢中だったからいついなくなったのかわからなかった。
法律を決める戦い・・・。
俺は、なにやら大きなものに巻き込まれたようだった・・・。