EA− 第八章

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EA− 第八章

一(はじめ)
「待て。
ここは、本官一人で十分だ。」


「どういうつもりだ。」

一(はじめ)
「・・・死ぬ前にAとの誤解をとけ。
時間稼ぎにはなるだろ。」

俺だけに聞こえるよう小さくいった・・・。
だが、ウソをついている・・・。
時間稼ぎではなく、ほんとに一人で片付けるつもりらしい。


「・・・わかった。」

イルカラ
「・・・俺もなめられたな。
まあいい、警察なら手加減しなくていいよなぁ。」

一(はじめ)
「・・・」

イルカラ
「どうした、声もだせないか!」

一(はじめ)
(はやく・・・遠くに行ってくれ・・・E。)
(・・・Aをつれて・・・早く!)

俺だけにわかるように、そういった。

俺は、Aをつれて、とにかく戦場から逃げた。
森の中だ・・・。
昼とはいえ、木が多く視界はあまり良くない。
隠れるのには最適なんだが・・・遠くに行けって・・・?

なにか・・・考えがあるらしいな・・・。




戦場

イルカラ
「・・・そっちからこないようなら!」

一気に距離を縮めて一(はじめ)に突進するかのように突っ込む。

一(はじめ)
(はやい・・・しかし)

一(はじめ)は受け止めるかまえにはいる。

イルカラはよけないと判断し、さらに加速・・・防御のタイミングをずらすつもりだ。
そして・・・右腕で相手の顔面めがけて・・・

カキーーン
金属音がきこえた・・・。

イルカラ
「!」

一(はじめ)はいつのまにか剣をもち、相手の攻撃をガードしていた。

イルカラ
「・・・錬金術師か、お前」

一(はじめ)
「あっちの国じゃ、錬金術師しか警察になれる人がいないもんでね。」

イルカラ
「・・・お前のいた国はストランデウムか。」

一(はじめ)
「ご名答。」

イルカラ
「この国に派遣されるストランデウムがいたと聞いたが、お前のことか。」

一(はじめ)
「まあな。しかし、この国・・・名前がない国はどうも好きになれないな」

イルカラ
「そりゃ、あんたら警察官は楽しめないよな。
なんたって、警察を滅ぼした集団がこの国の名前を決める権利があるからなぁ
・・・といっても俺らが勝手に決めたんだがな。」

一(はじめ)
「・・・そういうことか。」

イルカラ
「おっと、警察やめるなんてけちなこと考えるなよ。
お前みたいな警察いなけりゃどんな奴が国名決めるかわからねぇからな。」

一(はじめ)
「お前・・・時間稼ぎのようだな。」
(EやAがまずい)

イルカラ
「おっと、逃がさないぜ。」




森の中



「おぶらなくても、歩けるから降ろしてよ。」


「追われている・・・。イルカラって奴じゃないようだけど。」


「・・・私を降ろしてさっさと逃げたら。」


「犯罪者ってこと・・・まだ許してもらえてないみたいだね。」


「どんな、理由があろうと犯罪はやっちゃいけないものでしょ?」


「・・・全部聞かれていたのか。」


「・・・私をその少女の代わりにするなら他をあたって。」


「悪いが、ある人からお前を守るように頼まれたから無理だ。」
(頼んだのは人じゃなくて死神なんだけど・・・)


「じゃあ、その人に合わせてもらえない?」


「・・・いつになるかわからない。それでもいいか?」
(絶対に会えないだろうけど。)


「・・・信じていいんだよね。」


「・・・結婚相手なら他をあたって。」
(うんともだめともいえないのでごまかす)


「だ、だれがあんたなんか。」


(?・・・こいつ本気なのか?)

「!!」

「どうして立ち止まるの?」


(どうやら、前方からも追手が来てる。)
(これ以上にげられないなら隠れるしかないだろ。)

声を落としてAに話す。


(じゃあ、上に見えるものは?)

・・・木の上からこっちをみている追手に気付かなかった。
あからさまに忍者・・・7人そこらといったくらい。
・・・Aだけの追手にここまでするものなのか?
Aって追手の連中も特別な存在なのか?



(・・・って気を取られているすきにほかの追手も来てるけど。)


(警察と会って勘が鈍った)
(Aについて考えていたとはいえない)

追手
「今度こそ返してもらおうか。」

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