EA− 第七章

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EA− 第七章

よく朝・・・目が覚めると交番だった。
犯罪者の俺としては捕まった気分だった・・・。
そういや、ここで寝たんだったな。

時刻をみる。
8時。

Aは寝ていて、一(はじめ)とかいう警官は姿が見えない。

朝食をつくっているらしい。
においがそう教えてくれた。

起きたことを察したのか、

一(はじめ)
「起きたのなら、手伝ってくれ。」

・・・料理は苦手なので、適当にテーブルを拭いたりコップやはしを並べた。

結局Aは料理できても起きてこなかったので、二人で食べることになった。
久しぶりにたべる手作りが警官の料理ということは今は忘れておこう・・・。


Aが起きたのは11時・・・もうお昼だった。
そのころは、もう朝ごはんは食べ終わり、出発の準備をしている最中だ。
警察のカッコじゃ目立つので、一(はじめ)は普段着に着替えていた・・・。

ご飯はもう冷めているが、それでもおいしいとご満悦の表情を浮かべて食べてる・・・。
そんな光景を見ながら、作業はすすんでいく・・・一(はじめ)の準備が主で、
俺は銃の整備・・・といっても犯罪したら死ぬから、やらんでも一緒かもしれんが・・・。

午後12時・・・ようやく出発。
追われていることを認識しているはずだが、一(はじめ)はご機嫌そうだし。
代わってAは死ぬことがないと他人ごとのようだし・・・。
俺は俺で、犯罪したら死ぬんだよな・・・。

目的もなく、ただ、この国から抜けるだけの旅・・・。
Aはみつかると俺は困るから合流確定なんだけど・・・。
一(はじめ)はどうするつもりだろ、この国から抜け出した後・・・。

一(はじめ)
「おい。」


「ん?」

一(はじめ)
「ようやくだ、さっきまで無反応だった・・・。
そうそう、この国から抜け出したらどこへ行くつもりだ。」


「さあ。」

一(はじめ)
「なんだ、考え込んでたから国の行先でも決めてると思ったんだが・・・。」


「追手に見つからない場所まで・・・かな。」

一(はじめ)
「そんな場所あったら警察は意味ないだろ。」


「俺を捕まえるのか・・・。」

一(はじめ)
「そうとはいってない、君は犯罪者だがこの国の警官よりはましだ。」


「そんなに、ひどいのか!」

一(はじめ)
「この国じゃ・・・本官は無免許でな。
そんな本官でも、立派に働けるからな。」


「じゃあ、なんで警察の服をきてるんだ!」

一(はじめ)
「本官は、違う国で警察になって・・・ここに来たんだ。」


「なぜ?」

一(はじめ)
「・・・悪いな、君には言えない。」


「・・・」


「他人に関わりをもつことないのに。
なんで、君はそこまで・・・警察なんかとも話しかけるの!」


「少なくとも・・・今は仲間だ。」

一(はじめ)
「・・・君のような犯罪者もいるんだな
それでも捕まえなければならない義務が警察にある・・・辛いものだ。」


「・・・捕まったら死ぬんだけどな・・・。」


「まって、死ぬってどういうこと?」


「・・・それほど、重い罪になるってこと。」


「私を助けたのってその罪を軽くするため?」


「単純に助けたかっただけだよ。」


「罪を軽くして、死なずにすむため?」


「お・・・おい。」


「私を利用しようとしてたの?」


「そんなわけ・・・」


「答えてよ!
・・・どんなわけか、答えてよ。」

迫力のあまり、沈黙した・・・。
少女からは悲しみと怒りが交差していた・・・。

(死神のことをもう黙っておくのは・・・限界かな・・・。)

・・・そう、心に話しかけ俺はゆっくり口をあけた。
しかし、目の前に現れたのが、それを防がれた。

???
「さて、ナンバー18406を返してもらおうか」


「追手か!」

???
「君が・・・ナンバー18406につられたエサか。」

一(はじめ)
「お前・・・イルカラだろ。」

イルカラ
「さては、貴様警察だな?」
「となれば、殺すに限るな」

・・・どうやら、昨日の追手とはわけがちがうらしい。
すでに、殺気立っている。
武器はもってない・・・素手で殺す気なのか、こいつ。


「やるっていうんならまずは俺から相手になる。」

一(はじめ)
「死ぬ気か?」


「もともと犯罪者の俺が、警察と関わるなら死んだほうがましなんでね。」

もちろん、ウソだけど。
逃げ回ってまけるほどの相手じゃないことだけは、わかる。
戦うしかない・・・たとえ、死んでもやらないよりは。
そう決めかけたとき・・・。

一(はじめ)
「待て。」
「ここは、本官一人で十分だ。」

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