E
「どうして泣いているんだ?」
死神
「・・・死神がなくわけないでしょ。」
明らかに泣いている。
すくなくとも俺にはそう思えた。
死神
「・・・バカ」
E
「バカ・・・っておい、待て!」
俺がそういった時にはもういなかった・・・。
死神はどこかへ消えた・・・。
!!!
・・・時計・・・そのままだ・・・。
そういえば、Aの姿も見当たらない…。
泣いていた死神も気になったが、俺はAを探すことにした。
人気のない森の中・・・。
E
(もしかして、Aが急にいなくなったのは、死神に話していたことを聞かれていたから?)
(・・・犯罪者っていわれたら、逃げるよな。)
警察にでもいったのか・・・そう思って俺はこのあたりの交番をあたってみることにした。
奴隷として扱われていたのなら、歩くのも、ままならないはずだ。
・・・案の定、交番探していたらしく、その付近でみつけた。
でも、向こうは逃げてる・・・俺に追いつかれないように・・・。
E
「まってくれ。」
A
「犯罪者だってしればだれも待ってくれるわけないでしょ。」
E
「犯罪者の中にもいいやつはいるんだ。」
A
「いい人が犯罪なんてするわけないでしょ。」
そういったとき、俺はAの手をつかんでいた・・・。
でも、運が悪かった・・・。
警官
「おい、そこで何してる!」
A
「この人犯罪者なんです、助けてください。」
E
(こういうときだけ人を頼りにするなよ・・・。)
逃げるにも、さっきまで追手から逃げて、Aを追いかけてで
俺には体力が残されていなかった・・・。
ここまでの命だな・・・。
E
「・・・つかまえるならどうぞ。」
どうせ死ぬなら、ショータイムのように死んでやることにした・・・。
警官
「そのまえに事情をおきかせ願おうか。」
俺のことが、不思議に見えてか、事情を聞かれた・・・。
俺は遺言を話すように、これまでのことを話した。
Aは俺が警官と話してる最中、カップラーメンを食べていた。
よっぽどおなかがすいていたらしい。
警官
「君の事情はわかった。
だが・・・死神にかんしては信じるわけにはいかないな。」
E
「信じろとはいってないです。遺言ですよ、ゆ・い・ご・ん」
警官
「死神のことは信じられないが、その時計をみたところ信じるしかなさそうだな。
今回は無罪にするよ。」
E
「本当ですか!」
警官
「ただし、君が犯罪しないとは限らん。
だから、本官がお前さんたちと行動を共にする。」
E
「死ぬかもしれないですよ?」
警官
(本官にも事情があるんだ、この国にいたくないのは本官も同じだ。)
小声でそう言われた・・・。
警官
(それに・・・このままそこの女の子と一緒に行動するなら、私がいないと誤解がとけんだろ。)
E
(たしかに、そうだけど・・・)
警官
「なら、いいじゃないか。本官は一(はじめ)という。
よろしくな。」
強引に話が進められ、そこで打ち切られた・・・。
Aのほうを見ると、もうすっかり寝ている・・・。
よっぽど疲れていたらしい。
そして、俺は交番でそのまま寝ることになった。
犯罪者と奴隷と警察が、ひとつ屋根の下で寝ているのは、
とても不思議で・・・不気味にさえ感じた・・・。