EA− 第六章

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EA− 第六章


「どうして泣いているんだ?」

死神
「・・・死神がなくわけないでしょ。」

明らかに泣いている。
すくなくとも俺にはそう思えた。

死神
「・・・バカ」


「バカ・・・っておい、待て!」

俺がそういった時にはもういなかった・・・。
死神はどこかへ消えた・・・。


!!!

・・・時計・・・そのままだ・・・。

そういえば、Aの姿も見当たらない…。
泣いていた死神も気になったが、俺はAを探すことにした。

人気のない森の中・・・。


(もしかして、Aが急にいなくなったのは、死神に話していたことを聞かれていたから?)
(・・・犯罪者っていわれたら、逃げるよな。)

警察にでもいったのか・・・そう思って俺はこのあたりの交番をあたってみることにした。
奴隷として扱われていたのなら、歩くのも、ままならないはずだ。

・・・案の定、交番探していたらしく、その付近でみつけた。
でも、向こうは逃げてる・・・俺に追いつかれないように・・・。


「まってくれ。」


「犯罪者だってしればだれも待ってくれるわけないでしょ。」


「犯罪者の中にもいいやつはいるんだ。」


「いい人が犯罪なんてするわけないでしょ。」

そういったとき、俺はAの手をつかんでいた・・・。
でも、運が悪かった・・・。

警官
「おい、そこで何してる!」


「この人犯罪者なんです、助けてください。」


(こういうときだけ人を頼りにするなよ・・・。)

逃げるにも、さっきまで追手から逃げて、Aを追いかけてで
俺には体力が残されていなかった・・・。

ここまでの命だな・・・。


「・・・つかまえるならどうぞ。」

どうせ死ぬなら、ショータイムのように死んでやることにした・・・。

警官
「そのまえに事情をおきかせ願おうか。」

俺のことが、不思議に見えてか、事情を聞かれた・・・。
俺は遺言を話すように、これまでのことを話した。
Aは俺が警官と話してる最中、カップラーメンを食べていた。
よっぽどおなかがすいていたらしい。

警官
「君の事情はわかった。
だが・・・死神にかんしては信じるわけにはいかないな。」


「信じろとはいってないです。遺言ですよ、ゆ・い・ご・ん」

警官
「死神のことは信じられないが、その時計をみたところ信じるしかなさそうだな。
今回は無罪にするよ。」


「本当ですか!」

警官
「ただし、君が犯罪しないとは限らん。
だから、本官がお前さんたちと行動を共にする。」


「死ぬかもしれないですよ?」

警官
(本官にも事情があるんだ、この国にいたくないのは本官も同じだ。)

小声でそう言われた・・・。

警官
(それに・・・このままそこの女の子と一緒に行動するなら、私がいないと誤解がとけんだろ。)


(たしかに、そうだけど・・・)

警官
「なら、いいじゃないか。本官は一(はじめ)という。
よろしくな。」

強引に話が進められ、そこで打ち切られた・・・。
Aのほうを見ると、もうすっかり寝ている・・・。
よっぽど疲れていたらしい。

そして、俺は交番でそのまま寝ることになった。
犯罪者と奴隷と警察が、ひとつ屋根の下で寝ているのは、
とても不思議で・・・不気味にさえ感じた・・・。

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