あれから、どれくらい歩いたんだろう・・・。
日が沈み、あたりは真っ暗・・・。
おまけに追ってから逃れるため、人里離れた森の中にいる・・・。
むやみに動けば遭難・・・しかし、それ以上に・・・
人里離れたにも関わらず人の気配がする・・・。
いったいいつから?
まるで、ぴったり後につくかのように・・・
人の気配が・・・それも多数??
この不景気に警察が動くのはあまりにも早すぎだ・・・。
だとすれば・・・
E
「A、ちょっと・・・」
A
「なに?」
さっきまでは気付かなかったが、Aには変な首輪がある・・・
発信機はこれか?・・・はずれない・・・
A
「そ、この首輪が発信機のようなの
あなたにもはずせないみたいね・・・」
E
「ってことはつけられているの知っていたんだな?」
A
「ま、長いことこの繰り返しだから、知ってる。
はずせないのもね・・・
まあ、私は生きていられるけど、君死んじゃうよ?」
E
「他人ごとみたいに・・・人を信用するってこと知らないのか?」
A
「だったら、私なんかほっといて、逃げるなりすればいいでしょ?」
E
「それができなかったから、こうして逃げてるんだろ?」
A
「私をおぶったままなのに逃げてるなんて言える?
そんな状態でもうかれこれ3時間はたってるし、そこまで体力あるなら、
私をおいて逃げちゃえばいいじゃない!」
E
「おぶったままでも、3時間逃げられたんだ・・・。
きっと、逃げきれるさ。
それに・・・」
A
「それに?」
E
「それに・・・それ、似合ってるよ」
(それに置いて行ったら間違いなく死んじゃうから・・・俺が。)
A
「私にかまう元気あったら、逃げることに集中したら?」
ガサッ
E
「!!!」
A
「もう・・・遅かったみたいね・・・
囲まれてるよ、私たち」
後ろの追手にばかり気を取られすぎた・・・。
前からも追ってがきているのに気がつかなかった・・。
右も左も、人の気配がする・・・。
通信機で連絡でも取っていたのだろう・・・。
追って
「ずいぶんとテマかけやがったな・・・」
俺の足は3時間もおぶっていたせいで囲まれた状態で振り切れそうにない・・・。
追って
「これで終わりだ!」
拳が俺の顔面めがけて、飛んできた・・・。
E
(だめだ・・・足が動かない・・・捕まる!)
目を閉じた・・・。
鈍い音がした・・・。
痛みがない・・・。
俺、死んだんだな。
追って
「てめぇ、何しやがった!」
な・・・なんかまわりが変だぞ?
あれは・・・死神?
やっぱり俺死んだんだ・・・。
でも・・・なんで、Aや追ってまで一緒にいるんだ?
死神
「まだ、君は死んでないの・・・」
俺は、生きてる?