EA− 第三章

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EA− 第三章

あれから、どれくらい歩いたんだろう・・・。
日が沈み、あたりは真っ暗・・・。
おまけに追ってから逃れるため、人里離れた森の中にいる・・・。

むやみに動けば遭難・・・しかし、それ以上に・・・
人里離れたにも関わらず人の気配がする・・・。

いったいいつから?
まるで、ぴったり後につくかのように・・・
人の気配が・・・それも多数??
この不景気に警察が動くのはあまりにも早すぎだ・・・。

だとすれば・・・



「A、ちょっと・・・」


「なに?」

さっきまでは気付かなかったが、Aには変な首輪がある・・・
発信機はこれか?・・・はずれない・・・


「そ、この首輪が発信機のようなの
あなたにもはずせないみたいね・・・」


「ってことはつけられているの知っていたんだな?」


「ま、長いことこの繰り返しだから、知ってる。
はずせないのもね・・・
まあ、私は生きていられるけど、君死んじゃうよ?」


「他人ごとみたいに・・・人を信用するってこと知らないのか?」


「だったら、私なんかほっといて、逃げるなりすればいいでしょ?」


「それができなかったから、こうして逃げてるんだろ?」


「私をおぶったままなのに逃げてるなんて言える?
そんな状態でもうかれこれ3時間はたってるし、そこまで体力あるなら、
私をおいて逃げちゃえばいいじゃない!」


「おぶったままでも、3時間逃げられたんだ・・・。
きっと、逃げきれるさ。
それに・・・」


「それに?」


「それに・・・それ、似合ってるよ」
(それに置いて行ったら間違いなく死んじゃうから・・・俺が。)


「私にかまう元気あったら、逃げることに集中したら?」

ガサッ


「!!!」


「もう・・・遅かったみたいね・・・
囲まれてるよ、私たち」

後ろの追手にばかり気を取られすぎた・・・。
前からも追ってがきているのに気がつかなかった・・。
右も左も、人の気配がする・・・。
通信機で連絡でも取っていたのだろう・・・。


追って
「ずいぶんとテマかけやがったな・・・」

俺の足は3時間もおぶっていたせいで囲まれた状態で振り切れそうにない・・・。

追って
「これで終わりだ!」

拳が俺の顔面めがけて、飛んできた・・・。


(だめだ・・・足が動かない・・・捕まる!)

目を閉じた・・・。
鈍い音がした・・・。
痛みがない・・・。
俺、死んだんだな。

追って
「てめぇ、何しやがった!」

な・・・なんかまわりが変だぞ?
あれは・・・死神?
やっぱり俺死んだんだ・・・。
でも・・・なんで、Aや追ってまで一緒にいるんだ?

死神
「まだ、君は死んでないの・・・」

俺は、生きてる?

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