EA− プロローグ

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日々、争いの絶えない町の昼下がり
今日もまた一つの事件が起きた。
事件は、銀行で起きていた。

銀行犯
「このトランクに3億円用意しろ!」

銀行犯は銃を銀行にいる人たちに突きつけた。
警察はこの国にもいるが、事件が多くすぐに来ることはまずなかった。
しかし、警察の代わりに銀行にいる人の中に問題があった。

少女
「3億あればいいの?」

それは黒い服を着て、黒い帽子、黒い髪の女だった。
年齢およそ15歳くらいだろうか
その外見とはうらはらに

少女
「死神と、取引しない?」

・・・そう言葉にした。


銀行犯
「死神だと?笑わせやがる!」
「ガキ相手に俺がひるむとでも思っているのか!」
「3億あるなら、とっととよこしな。」

銀行犯は怒鳴りつけた。
しかし、少女はおびえもしなかった。

少女
「3億上げる代わりに法律を守れ。」

銀行犯
「な、きさま警察か?」

少女
「そうじゃない、3億の金を渡すが、もしこの国の法律を破ったら」
「・・・お前を殺す」

銀行犯
「ふざけるんじゃねぇ!」
「俺を法に縛りつける気なら、殺すのはこっちのほうだ。」

次の瞬間・・・銃声が一発聞こえた・・・。
少女に向かっていった弾丸が当たったのは少女ではなく、鏡だった。

銀行犯
「どこにいきやがった!」

鏡に映った少女の姿が銀行犯に写った。

少女
「後ろ。」

銀行犯が後ろを振り向いた。
しかし、少女の姿は見えなかった。

銀行犯
「くそ、どうなってやがる。」

そして・・・

少女
「頭の上」

銀行犯の頭の上に少女は座っていた。
しかも、人間とは思えない重さだ。
言われる前まで、まったく気がつかない、言われて始めて感じる重さ・・・。

銀行犯
「貴様はいったい??」

少女
「死神だっていったでしょ?」

銀行犯の頭に乗りながら少女の姿をした死神は続けた。

死神
「刑務所に行くのと3億手に入れて私と契約するのと・・・どっちがいい?」

今度は手にナイフを持って死神は脅す・・・
刑務所にいったところで、これまでやった罪が重かった銀行犯には、
死んでくださいと言われているのと同じだった。


銀行犯
「わ、わかった、警察とはかかわりたくない、契約する・・・。」
「だ、だから・・・」

銀行犯がやっとの思いで言ったあとに死神は微笑みながら


死神
「契約成立」

そう言った・・・。


リーン

鈴の音が聞こえた
銀行犯は家の中にいて、布団の中にいた。

銀行犯
「夢・・・だったのか?」


しかし、布団の隣には夢(?)にでてきたトランクがあった。
もしやと思い、トランクを開けてみると・・・

銀行犯
「3億円!」

そして、トランクの中にはもうひとつあった。

銀行犯
「手紙??」


それを手に取り夢じゃなかったことを実感した。


契約書

             200X・4・2



3億円はあなたにあげました。

法律を破ればあなたを殺しに現れます。

           死神
  


こうして、俺は三億円を手に入れた・・・。
自分の命も長くないと感じて・・・
この時はうれしいという感情はなく
恐怖でしかなかった・・・。

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