新・小説 第一話

トップページ
小説一覧へ

新・小説 第一話

俺の名は「高杉 正(たかすぎ ただし)」。 中学2年でどこでもいそうな生徒だ。
だけど・・・他人に言えない秘密がある。
それは・・・。



「お、しょう。帰ってきたか」


「ただし。父親が子の名前間違えんなよ。」


「小学校のとき『タカスギッショ!』って言われてたのを思い出しただけだ。」


「俺は中学だし、そんなあだないまだに覚えてるのやめぃ!」


「おかえり、高杉刑事」


「いつから刑事だ、それにまだ中学だし。」


「帰ってたんだ、悪代官まさし」


「いつから悪代官になった、俺は・・・しかもまさしじゃないし。」


「そんなことより、この店手伝え。」


「手伝わねぇよこんな店」


「この店のどこが悪い・・・全部いってみろ」


「名前からしてだめだろ。」


「どこがだ、このコンビニエンスストアをパワーアップさせたこの名前のどこが悪い!」


「コンビサンエンスストアってあからさまに間違いだろ」


「コンビが2人から3人に増えたんだ、パワーアップしてるだろ」


「そうだったの、あなた天才。」


「知らなかった。さすが私の父。」


「尊敬するところじゃないだろっ。」


「じゃあ、お前はどんな名前がいいと思うんだ。」


「スーパーコンビニでいいんじゃない?」


「それじゃあ、スーパーとコンビニが合体しただけじゃないか。」


「だからパワーアップしてるだろ!」


「・・・そんなことをいうようになったってことはお前好きな子でもできただろ。」


「だれだれ?」


「隠しごとはなしだからね。」


「話ごまかされた感がたえないんだけど。」


「そんなこいたらこの店の常連になってもらおう。」


「売ってるものが科学の実験道具やフィギュアやマンガ(ヲタク的)だから無理。」


「売ってるものじゃない、飾っているんだ、見物料でお金を稼いでいるんだ。」


「それって・・・」


「もはや・・・」


「コンビニじゃない・・・」


「冗談、売れないだけ。」


「そっかぁ!(笑)」


「そうなんだ!(高笑い)」


「そうなのだ!(爆笑)」


「いや・・・笑えねぇよ・・・。」


「だから、この店はお前が頼りだ。だから働いて。」


「あれ・・・やるんですか。」

父&母&姉
「やらなかったらごはん食べれないから」


「・・・」


そう・・・俺のいえないこと・・・それは。


「準備できました。」


「じゃあ、いつものようにその格好で客よせまかせた」


「店内は任せてね。」


「ほんと、弟にしておくのもったいないな」

父親の店前で女装して大道芸をやっていることだ。
ちなみに声はスピーカーで代わりに姉がやっている。

たかすぎ ただしという名前から一字ずらして。
  ちくせぐ ちぢす・・・これが女装のときの呼び名になっている。


〈早く普通の生活がしたい・・・〉


*この続きは気が向いたら更新します。

inserted by FC2 system